FLAT MITAKA

敷地:
東京都三鷹市
用途:
クリニック、共同住宅
設計:
STUDIO AK
施工:
成弘建設
竣工:
-

都市部にみられる住宅や商業ビルの密集地の一角に広い敷地をお持ちのオーナーが、クリニックとオーナー宅、共同住宅を併せた建物を建てたいとのご希望でこのプロジェクトはスタートしました。
北側には住宅がり、南側には市営の広い駐輪場があります。市営であることからも、こちら側は当面高さのある建物が建つことは考えにくく、都市部の住環境としては恵まれている立地です。また、敷地内の南側には歴史ある素晴らしい庭園があるため、これを尊重し保存しながら進めるというプロジェクトの進むべき方向は最初から決まっているように思えてなりませんでした。既存の建物の配置形状やアプローチ、ボリュームはこの庭の歴史とともにあるわけですから、新しい建物のもそれを尊重したものになって行ったのは当然と言えば当然なのかもしれません。
第2種高度地区であることから、北側に建物を寄せるのはプランに縛りを与えることと、前面道路が広くはないのでその規制によりボリュームを大きくとることは困難でしたが、周辺の建物を考えるとそれが自然と周囲へ溶け込む規模であり、既存に近い大きさでしたので、違和感なく受け入れることができました。
北側のセットバックは高度斜線を交わす目的で当初は計画されましたが、それが住民の憩いの場となるルーフガーデンとなり、この建物に魅力を与える大切な要素の一つとなしました。共同住宅の専有スペースの配置を考えると、南側にバルコニー、北側に通路を配置するのが定石ですが、南側に広がる庭と、市営駐輪場によって開かれているオープンスペースをこの建物の随所から眺めることができるようにできないものかと考えました。その結果、通路からも南側が見え、風が抜けるようにするために各住戸へアクセスする小道を設けることにしました。この小道は建物が南北を分断するのを防ぎ、切り取られた南側の景色が建物の中に積極的に取り込んでくれます。それは、建物と敷地周辺を融合させる大切な役割を果たしています。
各住戸はプライベートな少しゆったりしたバルコニーを持っています。このバルコニーはそのほとんどが庭に面していますが、面していない住戸は、ボイド(光庭)を設け、通風と採光をできるだけ取り入れられるよう計画されています。敷地の周りが比較的低層なこともあるため、各住戸は光と風を贅沢に感じることができます。
庭の歴史、季節の移ろいを、オーナーをはじめ住民皆さんが日々の生活の中の一部として楽しんでいただけたらと願って計画しました。

PROJECT