HOUSE SHIMOTAKAIDO

4人家族のための住宅です。
敷地が区画整理事業区域にかかっている為、敷地を有効に使うにしても地下を作れるところが限られており、プランの制約が大きいのが当初の懸念事項でした。
また、敷地には高低差があるため、コストのことも考慮し、それを活かした計画が求められました。
北側には河川があり、その脇には遊歩道もあり開けています。また、この河川脇の遊歩道と敷地は90cmほどの高低差があり敷地の方が高い為、レベルを工夫して眺めの良い人の目線を気にしなくてよい、心地の良いテラスを設けることにしました。

南側は道路で開けていて日当たりは良いのですが、人通りもあるのでプライバシーの保護が必要とされます。
そこで1階の床レベルを上げ、道路との高低差で通りを歩く人から見えなくしています。
またレベルを上げることにより下部にスペースが生まれるため、そこに水回りと書斎を設けました。この書斎は完全に居住スペースから独立しているので、SOHOなどとしても利用できます。

リビングは2.5層の吹き抜けにより、実際の広さより何倍も広く感じます。
またダイニングキッチンとはレベル差がありながらその連続性により、家族皆さんそれぞれが心地良い距離感の中でお互いを感じながら過ごすことが出来ます。
2階は家族それぞれの部屋ですが、エントランスからは、リビング、ダイニングを経由してからの動線となるため、常に家族はコミュニケーションを日常的に取ることが出来ます。
2階の南側は日当たりが良いのですが、目の前が狭い通りを挟んですぐに住宅があるため、目隠しとなる壁で囲い、人目を気にせずくつろげるバルコニーを設けました。
同時に、日当たりの良さは活かし、閉塞感は持たせたくないため壁の一部に開口を設け、上部は開放し、空が見え日が差すようにしてあります。

2階の上部には広々としたロフトがあり、日常使いすることも出来るし、収納として利用することも出来ます。
レベル差、区画整理事業に伴う法規制、空間の効率利用、方位、色んな要素を読み解くことによって魅力的な空間を随所に持つ住宅を計画することが出来ました。